仕事をしていると誰でも犯してしまうのが「うっかりミス」
誰でもあり得るので強く攻めることはできなくても、今後うっかりミスを減らすためにも対策は必要です。
うっかり忘れてしまったことが、人命や経営に大きく影響を与えるなんてことがないとも言えません。
頭ではミスをしないようにしなければならないことがわかっていても、意識を高めるだけでは限界があります。
ここではチェックリストについてメリットや使い方について説明していきます。
チェックリストを使うメリット
チェックリストは多かれ少なかれどの医療機関でも使っているのではないでしょうか?
しかしチェックリストにどのようなメリットがあるのか、考えたことは少ないかもしれません。
最初にチェックリストを使うメリットについて確認していきます。
作業の漏れをなくすことができる
チェックリストの一番のメリットは、やはりこれです。
いつも同じ作業をするのであれば、チェックリストを使うことで作業の漏れを防ぐことができます。
作業の標準化を図ることができる
複数のスタッフがいれば、いわゆる「仕事ができる人、できない人」がいるのは当然のことです。
全スタッフが自己研鑽に励み、全スタッフが最高の仕事をしてくれれば一番良いのですが、それは現実的ではありません。
それよりは、しなければならないことをチェックリストにして、それに沿って最低限してもらいたいことを忠実にやってもらうことのほうが現実的です。
チェックリストを使いすぎるとマニュアル人間になる?
チェックリストを活用しすぎるといわゆる「マニュアル人間」を作り出してしまい、自分で考えて行動しなくなるのではないかという意見もあります。
しかしあくまでも、チェックリストは最低限のクオリティを確保するためのツールです。
できるスタッフはもっと工夫してより良い仕事をしてくれればよい訳ですから、マニュアル人間を作る原因にはならないでしょう。
他の作業に集中することができる
作業の漏れを防ぐことができるようになれば、その作業に対する安心感が生まれます。
「この作業はこのチェックリストに従って行えば間違えがない」と思うことができれば、他の仕事に集中することができるようになります。
余裕ができた脳は、さらに新しい知識を身に着けるために役立てられたり、他のスタッフへの気遣いに役立てられる可能性もあります。
どの仕事にも最大の集中力をもって仕事に取り掛かることは難しいです。
チェックリストを活用することで、最大の集中力で取り掛かる仕事を減らしてあげることができれば、それもチェックリストを使うメリットと言えるでしょう。
チェックリストの作り方
チェックリストには上記のようなメリットがあります。
使用することによるメリットは多数ありますので、使用しない手はないでしょう。
それでは次にチェックリストの作り方についてお伝えします。
最初から完璧を目指さない
チェックリストは最初から完璧にはできません。
作ってみていざ使ってみると、細かすぎて使いにくかったり、大事な項目が抜けていることもあります。
最初から完璧にはできないということを認識しておくべきです。
まずは作って、導入する。それを手直しすることがポイントです。
スタッフが話し合いながらアップデートをしていくことができれば、チェックリストを使用するスタッフの業務の定着にもつながるでしょう。
リストの確認時期を明確にする
チェックリストはいつ、どこで使うのか決める必要があります。
作業前に使用するのか。作業終了前に使用するのか。作業後に使用するのかにより、内容が変わります。
また場所についても重要です。
わかりにくい場所に設置すると、チェックリストの使用自体を忘れてしまう可能性があります。
チェックリストの使用自体を漏らさないようにするためにも、わかりやすい場所にするのが良いでしょう。
見えやすい場所、必ず通る場所など、使用しやすい場所を探し、チェックリストを設置すると実施漏れを防ぐことができます。
チェックリストの使用を分散化する
同じ人が同じチェックリストを使用し続けると、チェックが形骸化することも考えられます。
チェックリストを有効に使用するためにも、別の職員もチェックリストを使用するように工夫することが必要です。
特定の職員にしかできない仕事を作る事は、スペシャリスト化されるメリットがありますが、有給休暇や休みを取りにくくなるというデメリットがあります。
スペシャリストが退職すると、その仕事をどのようにやっていたのかわからないということがあります。
もちろん資格や立場により、この人しかできない仕事というのはあると思いますが、そうでないのであれば、複数の職員が対応できる体制を取っておくほうが、安定した経営につながります。
「チェックリストを使用したら、業務が簡単になった」
そのようなチェックリストを目指しましょう。
この職員にしかわからないチェックリストではなく、他の人が見てもわかるチェックリストを作るように心がけましょう。
まとめ
このページではチェックリストを使用するメリットについて説明しました。
今回チェックリストについて書いたのは、つい先日お金のしまい忘れが発生した医療機関があり、チェックリストの使用をおすすめしたことがきっかけでした。
当たり前のことでも忘れてしまうことがあります。
良いことではありませんが、人間は誰でも間違えはあります。
うっかりミスをなくすことは、リスク管理の一つです。
もし複数の人が同じ個所でうっかりミスをしてしまっているのであれば、その作業にミスをしやすい原因を含んでいるのかもしれません。
・忙しい時間にやらざるを得ない。
・何かの作業と同時並行して行っている。
・誰がやるのか決まっていない。
など原因は様々ですが、ミスをしやすい原因を突き詰めて、チェックリストを活用しましょう。
「どの場所で、どのようなチェックをするのか」これをしっかりすることで、ミスは減らせます。
スタッフに余分なミスをさせてしまわないようにするためにも、チェックリストを導入してみてはいかがでしょうか。